介護に関わったことがない方からすると夜勤の間ってどんなことするの?
と思ってしまいますよね
介護に少しでも興味がある方に介護施設の夜勤の実態をお伝えできればと思います
また、老人ホーム(特別養護老人ホーム、有料老人ホーム)や施設形態(ユニット型、従来型)によって細かな業務に違いはありますが、基本的な流れは同じになります
それでは見ていきましょう
基本的な流れ
夜勤者はどこの施設も16,17時頃~9,10時頃までの勤務が一般的だと思います
細かな業務はさておき、基本的な業務内容は同じです
- 出勤
- 申し送り
- 夕食
- 就寝介助
- 朝食の準備
- 巡回(1~3時間毎)
- 体位交換(2~3時間毎)
- 休憩回し
- オムツ交換(施設によって回数は変わります)
- 起床介助
私が経験してきた夜勤の勤務内容をお話ししたいと思います
申し送り
夜勤者は出勤すると日勤帯から夜勤帯への申し送りがあります
申し送りの内容は……
- 日勤帯の特記すべき出来事(体調不良者、介護事故の報告など)
- 夜間帯の注意すべき入居者の報告
- 看護師からの指示
- 明日のイベントの確認(受診、往診など)
といったところでしょうか。
この申し送りによりこまめな巡回をするなど夜勤中の動きが変わってきます
夕食
夜勤帯の業務内容の確認が終わると、まず夕食に向けて臥床して(寝て)いる人を車イスに起こします
夕食が届くまでに水分を飲んでもらったり、エプロンをつけたり入居者の準備をします
大体、食事がフロアに上がってくるのは17時~17時30分程でしょうか
私の職場は副菜と汁物、ペースト/お粥が厨房から届きます
そのためこれら以外のものを入居者が過ごすフロアで準備します
15~20分ほどで準備が終了
配膳し、食事介助に入ります
- 食事介助
- 食事が終了した方から夕食後薬の配薬
- 食事の手が止まってしまう方への声がけ
- 食事をかきこんでしまう方の見守り(詰まってしまう可能性があるため)
- 食器の洗い物
食事を自身で召し上がる方は早いと15分ほどで終了してしまうため、食事介助をしながら夕食後役の配薬をします
また、自身で食事を召し上がることができる方も手が止まってしまうことがあるため、声がけをして食事が進むように援助します(お腹がいっぱいの時には無理せず)
逆に食事はよく進むが、食事を大量にかきこみ口に頬張ってしまい方もいます
そのような方は安全に食べられるよう、こまめに声がけをしたりするなど目を配る必要があります
そして、食事を終了したら自身のフロアで保管しているお茶碗やコップなどの洗い物に移ります
このように、食事の際はいくつもの作業を同時に進行する必要があるため、最も神経を使います
就寝介助
食事を終了するとすぐに寝るための準備にかかります
自身で着替えをしたりができる方はほとんど何もお手伝いすることがありません
その他の方には何かしらの介入をする必要があります
- 口腔ケア(歯磨き、入れ歯の洗浄、ポリデント)
- 排泄ケア(トイレ、オムツ交換)
- 部屋の環境を整える
食事の後の歯磨きは肺炎などにつながってしまう可能性があるため、しっかりとする必要があります
また、ポリデントに着けるなど入れ歯の管理も大事です(高価なので…)
寝る前にトイレに行くことでいしっかりと入眠につなげることもできます
尿意や便意があると落ち着いて寝ることはできませんよね
また、オムツ交換をする方は、パットの大きさを変えたりするなどして夜間に失禁して洋服や布団が汚れることを防ぎます
しっかりと利用者が眠れる環境を作ります
電気を消し、室温を整え、転倒リスクがある方は起き上がるとナースコールがなるようになっているベッドセンサーをONにしたり、ベッドの下にマットを敷いたりします
明日の朝食の準備
一通り夕食の片づけ、入居者の就寝介助が終わったら、翌日の朝食の準備をします
準備といってもキッチンにトレーを並べ、夕食後に洗っておいた食器をそろえるだけですが…
翌日は早番が出勤して朝食の準備をするうえでとても重要な作業になります
日勤帯は作業が多く時間との勝負という側面もあります
しかし、職員が急ぎすぎて入居者にケガや不都合があることは許されません
そのため、余裕がある時間にいかに準備をするかが重要になります(どんな仕事でもそうですかね笑)
巡回
夜間帯、居室で寝ている入居者に何が起きているかをすぐに把握することができません
そのため、1~3時間に1度、入居者に異常がないかをみるために“巡回/巡視”を行います
- 呼吸をしているか
- ベッドから落ちそうになっていないか
- 転倒していないか
- 居室の室温は適切か
といったところでしょうか
自分で動けなかったり、動けても室温管理等を自身で十分にできない方もいらっしゃいます
そういった方が夜中も安全に過ごせるように“巡回/巡視”を行います
また、発熱など体調の悪い方は15~30分に1度というように、自己判断でさらに細かく”巡回/巡視”を行うケースもあります
体位交換
自身で動けない方(全介助)は姿勢を動かさないと体の同じ部位に圧力がかかり褥瘡(床ずれ)ができていしまいます
※褥瘡……体の同じ部位に圧力がかかることにより、その部位の血流が滞り皮膚が壊死してしまうこと
そのため、2~3時間毎に体の向きを【右 → 左 → 右】といったように変えます
麻痺があったり、骨折していたりすると仰臥位(仰向け)になってもらうこともあります
休憩回し
私の職場はユニット制なので10名(~12名)の入居者が1つの空間で暮らしています
夜間帯は2つのユニットを1名で対応します
大体、同じフロアで休憩回しをします
そのため、1人の職員が休憩に入るときはもう一人の職員が4つのユニットの対応をします
センサーやナースコールが続くと深夜0時過ぎに一人で走り回っています
転倒のリスクがある方のセンサーが同時になることもあります
その際はより転倒のリスクがある方を優先して対応します
限界はありますがベストを尽くすまでですw
1人の方のトイレ介助をしながらセンサーを取り※「今行きますので座ったままでお願いします」と同時並行することもしばしばですね(笑)
※各職員はPHS(ピッチ)を持っており、ナースコールやセンサーコールがあるとピッチに着信が届きます。それに出るとその居室に通話がつながるという仕組みです
オムツ交換
夜間帯寝ているとはいえ、排泄がないというわけではありません
全介助の方はだいたい夜間帯にオムツをつけています
そのため、もれなくても尿や便が直接肌に触れている状態が長く続いていしまいます
すると、皮膚の赤みや皮むけ、しなしなになってしまう事で肌が弱く(脆弱)なってしまいます
夜間帯に2回はオムツ交換に入ることが理想であると教えられました
そもそも、尿や便が直接肌に触れている状態って気持ち悪いですよね
まだまだオムツ交換をする理由はたくさんあると思います
これらの理由から夜間帯にもオムツ交換は必要ですね
起床介助
朝食に向けて自身で動けない方の気象をお手伝いする必要があります
理想は目が覚めている方から起きてもらい、
- トイレに行く
- 顔を拭く
- 入れ歯の装着
- パジャマから着替え
これらのお手伝いをします
朝食
朝食の時間はだいたい7:30~8:00の間でしょうか
この時間になると早番が出勤します
夜勤者は朝食が始まるまでに介助に全員起きてもらいしっかりと食事ができればよいのですが
なかなか朝起きられない状態の方もいらっしゃいます(発熱や夜眠れなくて起きられないなど)
そのような方は、ほかの入居者に朝食をお出しして食べてもらっている間に再び起きられるか声がけをしたり、時間をずらして対応します
朝食で対応する内容は再起述べた夕食と変わりありません
まとめ
夜勤の基本的な業務内容は細かいものを抜けば、病院や施設もほとんど同じです
病院では看護師がいますが、老人ホームでは基本的に介護士しか常駐しません(夜間帯に看護師が常駐する施設もあります)
夜間の急変時は看護師がいないと、基本的に介護士のみで対応することになります(待機看護師に電話をして指示を仰ぎます)
老人ホームはユニット型と従来型で動き方が変わってきます
これらの違いはまた違う記事でお伝えできればと思います
最後に、夜勤は眠気との闘い……
ではなく、とにかくお腹がすきます!空腹との戦いです!!(個人的に笑)
大変ですが、夜勤の次の日は基本的に休みになるので、終業時の解放感は半端なくあります
夜勤手当も出ますしね!
あくまでも私の経験してきた知識ですので足りない部分もあるかとは思いますが、この記事は基本的なものにはなると思います
あくまでも、参考にしていただけると嬉しいです
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
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